MODBUS/TCP活用・8-ch Ethernet Relay Module

1.はじめに

スタッフのみやけです。

今回はパソコンから任意の電気機器のON/OFF操作をする方法として、MODBUS/TCPプロトコルを活用したネットワーク・リレーを試してみました。

今回選定した機材はこちらです。

8-ch Ethernet Relay Module (詳細) →以降、本機と呼びます。

Waveshare社製の機器は、千石電商さんで扱っているものもありますが、この機器に関しては扱いがないため、AliExpressからの購入になります。

2.電源とネットワークの接続

本機にDC7~36Vの電源をつなぐか、PoEハブからEthernetコネクタに給電可能です。

本機と、設定に使うPCは、同じLANハブに有線接続しておきます。ネットワークのIPアドレスの体系が異なっても構いません。次項で紹介のツールから、本機のIPアドレスを変更できます。

3.基本設定

(1)アプリの入手

こちらのページから、「VirCom」をダウンロードし、ZIPファイルを展開します。

https://www.waveshare.com/wiki/Modbus_POE_ETH_Relay#TCP_Communication_Test

(2)VirComツールで機器を探索

VirComツールを起動し、ツールバーの「Device」をクリックします。

「Device Management」ウィンドウの右側「Auto Search」ボタンをクリックします。

一覧に本機が見つかりましたら、その行を選択し、「Edit Device」ボタンをクリックします。

設定前の状態(工場出荷状態のデフォルト)は下記のようになってます。

赤線の個所を、自身の環境に応じて修正します。

「Modify Setting」ボタンをクリックで、本機に設置を保存します。

「Restart Dev」をクリックして、本機を再起動します。

再起動に要する時間は数秒ですので、再起動できたらPINGコマンド等で疎通確認します。

4.動作確認

デバイスに対し、TCP/IPのパケットを送信して動作確認してみます。

今回は、NonSoftさんのTCP/IPデバッグツールを使用します。

ZIPファイルを展開して、「TcpIpTool.exe」を実行します。

1TCP/IPの設定「クライアント」を選択
2TCP/IPの設定・ポート番号502
3TCP/IPの設定・IPアドレス192.168.5.201
4「送信データのバイナリ変換」「✔」を入れる
5「HEX表示」「✔」を入れる
最低限必要な設定

「接続」ボタンを押す。

「送信するテキスト」には、右記をコピペします <00><00><00><00><00><06><01><05><00><00><00><FF><00>

「TEXT送信」ボタンを押すと、本体の「CH1」がONになります。

「送信するテキスト」には、右記をコピペ <00><00><00><00><00><06><01><05><00><00><00><00><00>

「TEXT送信」ボタンを押すと、本体の「CH1」がONになります。

5.通信プロトコルの例

前章では通信パケットの内容については特に説明せず、コピペで試してみました。本章では、個々のリレーを自由にON/OFFするための読み解きについて説明します。

(1)コマンド例と読み解き方

Modbus/TCPに準拠しています。

本機の通信についての詳細は、下記を参照してください。

https://www.waveshare.com/wiki/Modbus_POE_ETH_Relay#Modbus_TCP_Development_Protocol

Modbus/TCP コマンド例: 00 00 00 00 00 06 01 05 00 00 FF 00

フィールド意味補足
00 00Message Label両方とも 0x00 固定です。
00 00 Modbus Label両方とも 0x00 固定です。
これは Modbus 通信であることを意味します
00 06Byte Lengthこのあと続くバイト数を示します。
この例では6 バイトです。
01Device Address0x00 固定です。
05Function CodeControl relay commands
0x05 固定です。
00 00Addressリレーのチャンネル番号に直接対応します。
・0x0000→1ch
・0x0001→2ch
 …
・0x0007→8ch
FF 00CommandリレーのON / OFF に直接対応します。
・0xFF00 : relay on
・0x0000 : relay off
送信パケット読み解き

Appendix 1.Webからの設定変更

IPアドレスの設定ができていれば、Webから設定変更ができます。

URL例:http://192.168.5.201/ パスワード:Password

Appendix 2.出力(リレー)電気的仕様

https://www.waveshare.com/modbus-poe-eth-relay.htm

https://raw.githubusercontent.com/SeeedDocument/Raspberry_Pi_Relay_Board_v1.0/master/res/HLS8L.pdf

仕様スペック補足
リレー型番HLS8L-DC5V-S-C
主回路接点容量10A 250VAC/30VDC
開閉寿命10万回(電気的寿命)、100万回(機械的寿命)